政府保障事業って何?自賠責保険にすら入っていない車との事故でも補償が

ひき逃げされた場合は事故の相手が分からないので、損害賠償のしようがありません。また、自賠責にすら入っていない自動車との事故では、相手に賠償能力が無い可能性の方が大きいでしょう。こんな場合はどうしたら良いのでしょうか。

実はこういうケースに対処するために、政府保障事業というのがあります。事故の相手に代わって、政府が自賠責相当の給付をくれるのです。

政府保障事業 請求件数2016

ひき逃げや自賠責に入っていない車の事故に対応する政府保障事業

建前上、全ての車やバイクは自賠責保険に入ることになっています。自賠責保険に入っていれば死亡事故に対しては3,000万円まで補償されます。

ですから死亡事故が起きても、被害者の遺族が何も得られないと言うことは無いはずです。十分な額かどうかは判断が分かれるところでしょうが、3,000万円程度は確実に保険が使えるわけです。

しかし実態としては、自賠責保険に入っていない車やバイクも存在します。特に、バイクの場合は、自賠責保険にすら入っていないものも多いようです。

自賠責保険にすら入っていない車に引かれたような場合、被害者はどうすれば良いのでしょうか。泣き寝入りするしかないのでしょうか。

もう一つ考えられるのが、ひき逃げ事故の被害にあうケースです。この場合も相手が分からないので、賠償の請求のしようがありません。

実はこれらの場合も、自賠責保険に入っている車やバイクと同程度の補償が受けられます。「政府保障事業」という政府による立替払いがあるのです。

この立替払いというのは、加害者が支払う分を立て替えるという事です。まあ、最終的に加害者側が払えないケースの方が多いでしょうから、実質的な給付なのでしょう。

最低限の部分に関しては、最終的には国が面倒を見てくれると考えるとわかりやすいでしょう。

件数は年間1,000件程度

ちなみに、政府保障事業の受付件数は、年間1,000件程度です。件数としては無保険車の事故よりもひき逃げ事故の方が多いようですね。

ここ数年の推移は、次のような感じです。損害保険料率算出機構の「損害保険の概況」から数字を拾いました。

政府保障事業の受付件数

政府保障事業は年間1,000件程度の請求があります。近年は減少傾向にあるようですね。まあ、交通事故も減っていますしね。

このグラフを見るとわかるように、近年は減少傾向にあるようですね。無保険車の事故よりも、ひき逃げの事故の方が多いようです。

自賠責保険との違い

ちなみに、政府保障事業は自賠責保険と全く同じと言うことでもないようです。国土交通省のサイトによると、次のような点が異なると書かれています。

政府保障事業は、損害額の積算方法については自賠責保険(共済)と同じですが、政府保障事業は、自賠責保険(共済)では救済されない被害者の最終的な救済制度であることから、自動車損害賠償保障法の規定により、次のような点が自賠責保険(共済)とは異なります。

  1. 請求できるのは被害者のみです。加害者からは請求できません。
  2. 健康保険や労災保険等の社会保険から給付を受けるべき場合は、その金額は控除しててん補します。
  3. 被害者に損害てん補した時は、その支払った金額を限度として、政府が被害者に代わって、本来の損害賠償責任者に求償することになります。

これを見ると分かるように、社会保険から給付を受けられる場合は、その分が自賠責保険よりも少なくなると言う点が大きいですね。この分、被害者の受け取る額が小さくなると言うことです。

これ以外は、大体同じだと思って良さそうです。残りの2項目は、主に加害者側の話ですから。

政府補償事業の財源は自賠責保険

ちなみに、政府保障事業は自賠責保険を財源にしています。

これって、ちょっとおかしい感じがするんですよね。ひき逃げはともかく、無保険車の場合は自賠責保険の保険料を払っていません。それなのに自賠責からお金が出ているわけですから。

損害保険料算出機構の「自動車保険の概況」というドキュメントには、次のような説明がありました。

「ひき逃げ事故」や「無保険事故」の被害者の救済については、自動車運行の利益を享受する者の共同責任で行う事が、自賠法の精神に照らしても妥当であるとの考え

まあ、分かったような分からないような説明です。文句を言っても仕方がない部分なので、こういうものだと思っておくしかありません。

とりあえず、政府保障事業という名前は付いていますが、実体としては私たちが相互に助け合っているというふうに考えると良いでしょう。

自動車保険で備えることも出来る

事故の加害者が保険に入っていないようなケースに、自動車保険を使って備えることが出来ます。

例えば自動車保険に「人身傷害補償保険」という保険をつければ、被害者として受けた事故の損害を保険会社が補償してくれるのです。具体的には治療費だけでなく、働けない期間の所得補償なども行われます。

当然ですが、自動車保険に人身傷害補償保険を付ければ、保険料は高くなります。割り増しの保険料を払う価値があるかどうかは、しっかりと検討する必要はありそうですけどね。

とりあえず、自動車保険を使って自己防衛する手段があることを知っておくのは、意味があることでしょう。


自賠責保険とは何だ?覚えておきたい基礎知識

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