自動車保険には対物超過修理費用特約という特約があります。
この特約は各社用意されていますが、名前は統一されていないようですね。会社によって名前が違う事があります。例えば、対物全損時修理差額費用特約という名前で呼んでいるところもあります。
さて、この特約はどんなものなのでしょうか。必要性はどの程度あるのでしょうか。確認してみましょう。
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損害保険の保険金額の上限
対物超過修理費用特約について説明する前に、損害保険の保険金額の上限について確認しておく必要があるでしょう。
辞書によると損害保険というのは、「偶然の事故によって生ずる損害を填補(てんぽ)する目的の保険。(デジタル大辞泉)」と定義されています。つまり、事故による損失分を保険が補ってくれるという考え方をするわけです。損失分を補うということは、壊れたものの価値以上の保険金はでないことになります。
交通事故などで他人の車を壊した時は対物賠償責任保険の保険金が支払われます。ただ、上に書いた原則に従うと、車体に対する保険金額は相手の車の時価が上限なのです。対物賠償責任保険では、そこまでしか払う事ができません。
修理をすると時価よりも高くなることがある
しかし中古車の場合などだと、修理の費用が時価を超えることだって珍しくはありません。そして、そのことを分かった上で、修理をしたいと望む人だっているでしょう。
時価で考えたら50万円の価値しかない車でも、70万円かけて直したいと考える人もいるわけです。まあ、車に愛着がある人なら、こんなふうに考える人もいるでしょうね。
そんなときのために備えるのが対物超過修理費用特約なのです。対物賠償責任保険では払えない部分を、この特約が補ってくれるわけです。
必要性は小さいと考えられます
ただ、損害賠償の法的責任は時価額が上限です。ですから、本来は時価を超える部分に関しては、備える必要が無いはずなのです。
時価を超える部分に関しては、被害者側の意志で勝手に修理するという事なわけですね。ですから、補償の必要性という意味ではあまり大きくないと考えて良さそうです。
しかし現実には、交渉の過程で相手に押し切られて車体の時価よりも高い修理費用を負担させられるというようなこともあるのでしょうね。そんなケースに備えることを考えているようです。
まあ法的に上限は決まっているわけですから、時価額以上は払えないと突っぱねてしまえば良い話なのですけどね。気が弱い人だとそうも行かない人だっているでしょう。そんな人のための特約と考えるといいのでしょうか。
保険会社の怠慢なんじゃないの?
でも、こういう時に加害者側の交渉を担当するのは、一般には保険会社ですよね。ということは、対物超過特約のメリットって、保険会社の交渉が楽になるだけとも言えそうな気がします。
でも、当然ながら、保険料を負担するのは私たちです。とういことは、保険会社の交渉を楽にするために、余計な保険料を払わされているという構図とも考えられます。
なんか変じゃね?
まあ、対物超過特約があるために交渉がスムーズに進めば、保険に入っている側にもメリットはありますけどね。ちょっと腑に落ちない部分はあります。
損保会社も説明に苦慮しているようです
ちなみに、損保会社のサイトをいくつかチェックしてみましたが、自分たちの交渉が楽になるから対物超過特約に入ってほしいとは書かれていませんでした。でも、その結果、何のために入る特約なのかよく分からない説明になっているという印象を持ちました。
そりゃそうですよね。交渉の窓口になるわけでは無い保険契約者には、たいしたメリットはありませんからね。ちょっと余分に保険料がかかるだけで。
一応「スムーズな事故解決」というのをキーワードにして、ホームページで説明していますけどね。スムーズな自己解決を担当するのは、保険会社の仕事です。「それを契約者に押し付けられても」と思ってしまいます。
被害者の側も、ゴネ得という言い方もできるかもしれません。損害賠償以上の金額が貰えるわけですから。
4分の3くらいは契約している
ちなみに、イーデザイン損保の場合は、77%がこの特約を付けているようです。
この特約の保険金額は50万円が上限で、使われないケースも多いでしょう。ということは、特約に対する保険料も安いわけです。
ですから、「勧められているし付けておくか」というくらいの人が多いのではないでしょうか。
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自動車保険の保険料を下げようと思ったときに、一番手っ取り早い方法は何でしょうか。おそらく、損保各社から見積もりを取り、保険料を比較することでしょう。
ただ、複数者に見積もりを依頼するのは面倒です。そこで、一括で見積もりが取れるサービスを利用しましょう。簡単な一回の入力作業で、10社以上から見積もりが取れます。
保険スクエアbang!のサイトによると、平均で約2万5000円も保険料が安くなっているようです。中には、5万円以上安くなった人もいるのだとか。
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