損害保険料率算出機構というところの自動車保険の概況(平成24年度版)という資料を読んでいたら、面白い記述を見つけました。日本にはじめて自動車保険ができた頃についての記述です。
ちょっと引用してみましょう。
わが国における任意自動車保険の歴史は古く、大正3年(1914年)に初めて営業開始されました。当時の自動車保有台数はわずか1,000台程度でしたが、
この箇所の何がおもしろいのか、ちょっと分かりにくいでしょう。簡単に説明しましょう。
数が少ない場合は、保険契約は難しい
まず、保険の基本原則に「大数の法則」というものがあります。大数の法則というのは、数学の確率論の法則です。正確に説明するのは難しいので、さいころを例に具体的に考えてみましょう。
さいころというのは、どの目も同じ確率で出るはずですよね。でも、60回くらい降った場合には、出目はきれいに6分の1ずつにはなりません。1から6がそれぞれ10回ずつ出るなんてことは、まず無いのです。実際にやってみると、出目にはかなり偏ることが分かると思います。
仮に3が8回しか出なかったとすると、60回中の8回ですから、13.3%となります。6回に1回だと16.7%ですから、理論値と大分違うことになってしまいます。
しかし、さいころを振る回数を増やしていくと、1から6の出目はどれも同じくらいの確率に収束していきます。例えば、100万回くらい振ったりすれば、大体どの目も6分の1になるはずです。
こんなふうに、試す回数を増やすと理論上の確率にに近づくことを大数の法則というのです。
大辞林による正確な定義は、次のような感じです。
たいすうのほうそく【大数の法則】
経験上の確率と数学的確率との関係を示す確率論の基本法則。観測回数に対するその事象の実現回数の割合(例えばさいころを n 回振って r 回一の目が出たなら n 分の r )は観測回数を多くすると計算上の確率(ここでは6分の1)に近づくという法則。
1,000台だと台数の法則が使えない
さて、話を戻しましょう。1914年の段階では、車の台数は1,000台であると書かれていました。これくらいの数だと、大数の法則なんて関係なくなってしまいます。
それに、そもそも交通事故の前例も少ないでしょう。ですから、保険料を決めようにも、方法が無いのです。
民間の保険だとしたら、下手な価格設定をすると、保険会社が倒産する可能性もあります。ですから、かなり高めの保険料を取ったのでしょうね。
車を持つのは相当の富裕層か法人でしょうから、多少高めでも大丈夫だったのでしょう。
当時の車の性能は?
ちなみに、T型フォードが発売されたのは1908年なのだそうです。ということは、1914年の段階では、かなりまともな車が走っていたということでしょう。
T型フォードのスピードは「最高速度は70km/h程度1 」ということですから、人身事故のリスクは十分にあったと考えてよさそうですね。
そうすると、当時の保険は、対人賠償責任保険的な機能が主だったのでしょうか。あるいは、まだ故障しやすかったという事であれば、車両保険的な機能だったのかなあ。
短い記述ですが、立ち止まって考えてみると、色々と想像が膨らみます。
- 第14回 アメリカ車 :序章(2)フォード モデルT(1908年~1927年)M-BASE 2012.12.27 [↩]
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