多くの場合、交通事故では、何人かの人が関係します。単独事故もありますけどね。
複数の人がかかわるということは、交通事故の処理をするには、当事者間で示談をする必要があります。損害賠償をどうするか、詰める必要があるわけです。
Contents
素人が保険会社と渡り合うのは大変
双方とも自動車保険が使える状況なら、示談交渉はそれ程難しくないのかもしれません。保険会社の担当者同士が話し合うことになるので、変なこじれ方はし辛いでしょう。
しかし、少なくとも片方が素人だと、それほど話は単純では無いでしょう。
例えば事故の加害者側は保険会社が示談交渉を担当し、被害者側は本人が示談交渉をするような場合はあり得ますよね。こんな場合は、おそらく、保険会社は損害賠償の額を小さくする方向で話をまとめようとするでしょう。交渉ですから当然です。
被害者の側は素人なので、保険会社の思うとおりに、損害賠償の額がかなり小さくなる可能性もあります。逆に、被害者側が強気に出過ぎて、話がまとまらないという事もあるようです。
あるいは、素人同士が示談交渉をしないといけないケースもあり得ます。こんな場合だと、話がまとまるのには、かなり時間がかかりそうですね。そもそも、何からはあ無し合えば良いのか分からないような状態でしょうから。
交通事故の和解を斡旋してくれる
ですから、こんな場合には、間に入ってくれる人が必要になります。実はこうした仲立ちを無料でやってくれるところが、いくつかあるようです。
そんな中の一つが「交通事故紛争処理センター(http://www.jcstad.or.jp/)」というところです。
弁護士が中立な立場で和解斡旋してくれる機関
交通事故紛争処理センターは、まさに名前の通り、交通事故の紛争処理をする公益財団法人です。単に相談できるだけでなく、和解斡旋の機能を持っています。無料で利用ができます。
センターでは交通事故の損害賠償に詳しい弁護士が中立公正な立場で和解あっ旋を行なっており、費用もかかりませんので安心してご利用ください。
和解斡旋というのは、馴染みが無い言葉では無いでしょうか。ただ、それほど難しいことではありません。和解のための斡旋をしてくれるというだけです。つまり、利害調整をしたり解決策を提示したりして和解が成立するように働きかけるという事ですね。
数が少ないので利用が難しいケースも
無料で助けてくれるのはありがたいのですが、全国に11か所しかありません。しかも、それぞれの都市の中心部にあるだけですから、地方によっては利用するのが難しかったりするかもしれませんね。
例えば関東だと、東京新宿に支部があり、さいたま市に相談室があります。比較的多くの人が利用できる可能性がありそうです。
それに対して、北海道には札幌市に支部があるだけです。九州も福岡だけなので、鹿児島の人などはちょっと使えないでしょう。
3回から5回程度で和解ができるようです
ちなみに、さすがに1回では終わらないようで、何回か通う必要がありそうです。初回は相談だけなので、1回で解決するのはさすがに無理です。
センターのホームページによると物損の場合は2回程度、人身損害の場合は3回で70%以上の和解が成立するのだとか。ということは、数回程度は通えないと難しいという事でしょうね。
弁護士費用の節約になる?
相談に乗ってくれるのは弁護士なので、もしかしたら弁護士費用の節約にも使えるのかもしれません。もっとも、中立を謳っていますので、自分が弁護士を雇うのに比べると物足りないのかもしれませんけどね。
ちなみに、相談弁護士は、一度決まると最後までその人が担当してくれるようです。センターのサイトに次のような説明がありました。
<相談担当弁護士>
センターでは、所在地の弁護士を相談担当弁護士として選任しており、現在では合計で194名(平成28年9月)が委嘱されています。
相談担当弁護士は、原則として事案の終了まで変わりません。
保険会社や共済が絡んでいないケースでは対応してくれない
ちなみに、交通事故紛争処理センターは、被害者と損害保険会社等の間に立つというのが基本的なスタンスです。ですから、加害者側が自動車保険や自動車共済に入っていない場合は利用できません。
また、自分の契約している保険会社との支払いに関する紛争には関与しないそうです。人身傷害補償保険などを請求するケースでは使えないという事ですね。
事故によるケガが治らないと利用できない
個人的に一つ厄介だと思ったのが、治療中はこのセンターを使えないという事です。次のような説明がありました。
治療が終了し、かつ後遺症がある場合は等級認定手続が完了して、損害賠償額が提示された後にお申込みいただくことになります。
まあ、これ自体は当然なのかもしれないですけどね。治療が終わらない事には損害も確定しないので、示談のしょうがありません。
ただ、加害者側の損害保険会社としては、早く終わらせてしまいたいので、治療を打ち切って示談することを持ちかけることもあるようです。こういう場合は利用できないという事ですね。
簡単な流れ
簡単な流れとしては、次のような感じです。
- 交通事故の被害者(以降、「申立人」)が電話で相談予約の申込をする
- 申立人がセンターに行き担当弁護士と相談をする(相談のみの場合はここで終了)
- 申立人と相手方の双方出席の上、担当弁護士による和解斡旋が行われる(合意に至った場合は示談書又は免責証書を作成)
- あっ旋不調の場合は審査申し立て、訴訟へ
最初に1回相談します。2回目から加害者側(保険会社または共済の担当者)も出席して話し合いが持たれることになるわけです。話し合いが上手くまとまればそこで示談となりますし、まとまらなければ先のステージに移るという事ですね。
事故車でも買い取ってもらえるサービス
通常、事故車を廃車にするときには、お金を払って処分してもらうことになります。しかし、事故車でも買い取ってくれるサービスもあるようです。
【最大5万円安く!】自動車保険の保険料を節約する手っ取り早い方法
自動車保険の保険料を下げようと思ったときに、一番手っ取り早い方法は何でしょうか。おそらく、損保各社から見積もりを取り、保険料を比較することでしょう。
ただ、複数者に見積もりを依頼するのは面倒です。そこで、一括で見積もりが取れるサービスを利用しましょう。簡単な一回の入力作業で、10社以上から見積もりが取れます。
保険スクエアbang!のサイトによると、平均で約2万5000円も保険料が安くなっているようです。中には、5万円以上安くなった人もいるのだとか。
ここまでのメリットがあるのなら、チェックしない手は無いでしょう。
もう少し詳しく:自動車保険一括見積もりサービスを使おう

スポンサードリンク
スポンサードリンク
関連した記事を読む
- 日弁連交通事故相談センターでは電話相談も可能(もちろん無料)
- 交通事故の素因減額って何だ?保険金に影響するの?
- 慰謝料って何だ?金額はどうやって決まる?
- 弁護士保険の必要性はあるのか?| 保険料分を貯蓄した方が…
- 交通事故で車両が壊れた場合の損害賠償のお値段は?
- 自分の過失割合が大きい、小さな事故だと、保険会社が相手をしてくれない
- 交通事故でケガをした場合の損害賠償金額の相場は?